冷え症
冷え症は特に女性に多い不快な症状です。
手の先や足の先が冷えたり、体全体が冷えたりすることによって、
頭痛や肩こりなど、更に不快な症状を引き起こすこともあります。
冷え症を和らげる方法も是非知っていただきたいです。
冷え症について知っておこう
女性に冷え症が多いのは筋肉が少ないから冬はもちろんのこと、
お部屋の室温や風の流れも影響して、外気温に関係なく一年中悩まされることの多い冷え症。
特に女性には冷え症の方が多いのも事実。
その理由として挙げられるのが筋肉の量です。
筋肉には血流が多く流れ込み熱を生み出す役割りもあります。
当然、筋肉は多いほうが熱を生み出しやすく、体温を保ちやすいと考えられます。
一般的に、男性に比べ女性は脂肪が多く、筋肉量は少なめですから、
女性の方が冷え症に悩まされやすいのです。
改善策は?
冷え症の改善策の第一は「運動」です。
筋肉量を増やすことによって、熱を生み体温を保ちやすい体質にした方が
冷え症の改善も期待できます。
運動することで筋肉もつき、血流もアップするため、体が温まりやすくなります。
冷え症の3タイプ
わかりやすくするために、ここでは冷え症を3タイプに分けてみます。
◆「末梢タイプ」
◆「おなかおしりタイプ」
◆「冷えのぼせタイプ」
自分がどのタイプにあたるかチェックして、改善策を知っておきましょう。
そもそも、西洋医学では冷えを病気としては扱っていません。
「冷え」は万病の元という概念があります。
血液の流れが悪いと細胞組織では色んな問題が起こりやすいと考えるからです。
逆に言えば、体全体の血流を良くすれば多くの症状は改善しやすいとも言えるでしょう。
季節を問わずなるべく氷入りの飲み物は避けたほうが賢明です。
冬の時期は使い捨てカイロを上手に利用して、保温だけでなく必要にあわせて加温することも大事です。
上記3タイプに入らない「コワイ冷え」もあります。
糖尿や血管に問題がある場合もあります。あまりに冷えがひどい場合は、早めに受診するようにしましょう。
◆セルフチェック◆
それではあなたが実際にどのグループの冷えなのか、確認してみましょう。
グループ別のチェックリストをご覧ください。
グループA
□手足、指先が冷たい
□舌を鏡で見ると、舌に歯型がついている
□むくみやすいほうだ
□一日の終わり、足に靴下のあとがついている
□足のスネのあたりを押すと、へこんでなかなか戻らない
□スネを蛍光灯で照らすと、光って見える
☑この項目のチェックが多い人は 末梢冷えタイプ?
グループB
□お腹が冷える
□おしりも冷たい
□お腹をこわしやすい
□腕がだるくなりやすい
□胃腸が弱い方だ
□肩甲骨周辺が凝りやすい
☑このチェックが多い人は お腹冷えタイプ?
グループC
□ストレスがたまっている
□下半身が冷えやすい
□イライラすることが多い
□顔や頭、上半身は暑い
□急に汗が出始める
□夜寝ていても目が覚めることがある
☑この項目のチェックが多い人は 冷えのぼせタイプが考えられます。
さて、ご自分のタイプはおわかりいただけたでしょうか?
ここから先はタイプ別に解説をしていきたいと思います。
【タイプ別解説】
★末梢が冷えるタイプ の方は・・
先ずは運動が第一
締め付けすぎないのもポイント
おもに手足の末端に冷えを感じるのが、末梢冷えタイプ。
手足の指や甲がむくみやすいのも特徴です。
極端な例ですが、コップにお湯を入れても、しばらくすると冷たくなりますね。
身体の中で、絶えず流れていればいいのですが、
水がたまりやすいということは、それがさらに冷えにつながりやすいのです。
対策としてはやはり水の停滞を防ぐための運動が第一です。
そこで私がおススメするのは、ラジオ体操。
子供じゃないんだから・・とあなどるなかれ。
もう一つは、足を前後に開いて、
上体をやや前かがみにして、両手を大きく振ります。
先ずは50回やってみてください。
ウォーキングはハードル高い人はこれがおススメです。
ラジオ体操も、腕ふり体操も、1ヶ月続けられたら実感出来るはずです。
えっ?どうすれば続けられるか?って??
3日坊主は人の常。
気楽に考えて、歯磨きしたらすぐにやる、とか
トイレに行ったら立ち上がる前にやる・・なんでどうですか?
できるだけストレス解消に務め、うまく気分転換をするようにしましょう。
さらにお風呂にゆっくりつかったり、体を温めることもいいでしょう。
靴下の重ね履きは要注意
注意したいのは、締め過ぎないこと。
足が冷たいからと靴下を何枚も重ね履きすることが有るかも知れませんが、
ふくらはぎくらいの長さのものを履く場合、そこで締め付けられてしまい、
かえって血液の巡りが悪くなってしまいます。
足を温めるために履くのであれば、
足の付け根や、お尻まであるような、弾性ストッキングがいいでしょう。
それでも足先が冷たいようなら、締め付けの少ない、毛糸の靴下などがおすすめです。
シルクと綿の重ね履き専用の靴下ももあります、興味がある方は試してみて下さい。
大事なのは自家発電!
靴や靴下の中で、足指全体を使ってグーパーグーパー・・50回やってみてください。
足全体が温まるはずです。
お試しください。
★ おなかが冷えるタイプ の方は・・
●体を冷やす食材は加熱して食べるようにしましょう。
胃腸の弱い人やお腹が弱い人は、このお腹冷えタイプ。
風呂上がりに冷たいビール、飲み物は氷入りの冷たいもの飲むのが好き!
という方、ちょっと待ってください!
喉を通す前に、その液体を喉元から、胸に流してみる、と想像してください。
いかがですか? ヒヤッとしそうでしょう?
当然、あなたのからだの中も、同じ感想をもっています。(-.-)
冷たいもの・・・は漢方的にはNGというより、厳禁!
氷=毒 と表現します。私は好きですけど、よく叱られます。
体を冷やすような食品、食材は調理法にひと工夫を。
キュウリなどのウリ科のもの、 南国で採れる果物なども
体を冷やす傾向がありますから、摂りすぎにはご注意を。
日本では冬のお鍋の主役でもある、大根や白菜ですが、
実は、これらも体を冷やす食品として分類されます。
まあ、白菜を生食することは少ないですから、心配しすぎなくて大丈夫です。
我が家のオリエンタルベジタリアンキムチは、
海鮮もニンニクも入れずに、生姜たっぷり、唐辛子もたっぷり。
口が臭くないし、発酵食品のキムチは最高ですね!!
私はよく台湾に行くのですが、 「食=楽しみ=健康法=生き方」 と感じています。
ショウガなどの体を温めるものを摂るのはおすすめです。
ショウガはできるだけ日中に。 夜は食べないようにする、という漢方の考え方があります。
●カイロを使った温灸でおなかも体もポカポカ
難しことはおいておいて、冷えの簡単対応法は 使い捨てカイロを上手に使うことです。
なかにはおなかを長時間温め続けると気分が悪くなる場合があります。
そんなときにおすすめしたいのは、カイロを使った温灸。
小さなカイロをおへその上のあたりに貼り、そのまま30分〜1時間ほど過ごします。
おへその上あたりには体の太い血管が走っているので、
そこを短時間に温めるだけで、お腹の動きがよくなり、体全体が温かくなってきます。
また、カゼのひきはじめで、背中がゾクっとしたら、肩甲骨の間にカイロを貼りましょう。
風の「邪気」がたまるところ=風池(ふうち) といいます。
それが、カラダの中に入ってくるところ=風門(ふうもん)
すごいネーミングが上手ですよね!
簡単に言えば、肩甲骨(けんこうこつ)の間を温めてあげましょう。
そうすれば、池を乾かして、門をしめちゃえばいいんです!
これなら仕事や家事をしながらでも可能なので、 おなかや全身の冷えを感じたら試してみてください。
★冷え+のぼせタイプ の方は・・
精神的なことが原因のこともあります。
気分転換を上手に。
この冷え+のぼせタイプは、下半身は冷えているのに、上半身はほてる様にあつい、
そんな表現がぴったりな症状の現れ方です。
下半身が寒いからと、服を重ねたりして温めると、
上半身がさらに暑くなってしまうということもあり、
その対策にご本人も苦労しているでしょう。
原因としてはストレスとホルモンの影響も。
解決しにくい継続した課題や問題、
精神的なイライラや落ち込みなどが、きっかけになっていることも。
したがって対策としては、ストレスをためないこと・・・
とは言いません。ためたくて、ためている人なんていませんね。
「ストレス」
この人生の中の 4文字の解消法を あなたはお持ちですか?
運動をして基礎代謝を上げる
東洋医学的には 運動と食事と漢方薬。
自律神経のアンバランスをいかに正常に働くようにするか?がキーワード。
●冷え性対策の運動は有酸素運動
エアロビクスやウォーキングは、やったことがあるでしょう。
もしも、歩く習慣が少ない人は、
一つ手前の駅で降りて家まで歩いてみる、のがおすすめです。
少し遠回りして知らない街並みを楽しんでみましょう。
これも、立派な運動です。
今度行ってみたいお店が見つかるかもしれません。
大事なのは、身体を使うことの喜びを感じることから始めてみて、少し続けましょう。
運動に慣れていないと、身体を動かすのが苦手というか面倒かも知れません。
でも、動物的には危険から逃れる、捕食者から逃れる為に、走る、逃げる、というのが非常に重要です。
だから、ストレスを感じるなら、身体を動かすことが理に適っています。
先ずは歩くことからです。1日まったく足を使わない人はいません。
そこで、ウォーキング(だけでなく)、動くとき、歩くときはおススメ呼吸法があります。
それは 「倍呼吸」
古代の皇帝たちも、取り入れていた健康法です。
方法はカンタン!
1・2・3 で吸って 1・2・3・4・5・6 と吐く。
苦しい人は、1・2 吸って、1・2・3・4で吐く。
肋骨を使って息を吐いたり、横隔膜をそこまで使う機会が少なすぎなのです。
これは、簡単な方法ですが、効果の期待は大きいです。
是非、お試しを!
えっ・・・難しい??
いえいえ・・ただ慣れていないだけですよ!
慣れるにはどうするか?
上手下手ではなく、とにかくやってみること!
息を吸ったら胸の中に入ってくる、それが血液の中に溶け込んでいく、
そして、細胞まで届けられる~こんな素晴らしい機能があなたの中に宿っているのですよ。
この過程の化学変化の式を書けますか?
理解していますか??
でも、知らなくても、大丈夫!
私達の身体は、理解していなくても、ちゃんと働いてくれています。
細胞たちはあなたの身体から出てきて、自分で空気を取りには行けません。
あなたが 細胞の代わりに この空気中から酸素を
見たこともない細胞たちに、届けてあげてください。
それが呼吸です。
このプレゼントは 無料!!
自然界にあるものを、大いに使いましょう。
そうすると、あなたの からだも こころも 喜んでくれます。
世界中で たったひとり
あなただけが あなたのそばに ずっといてあげられる人です。
空気は自然界が私たちに与えてくれる、生きるための 愛情です。
あなた自身が、あなたに 自然界からのプレゼントを届けてあげてください。
そう、あなたの為に。
そんな風に、 普段から呼吸をする時に
ときどき 思い出してみてください。
きっと、すこし、やさしい気持ちになれるかも知れません♪
筋トレも始めてみませんか?
もし、あなたが40代なかばをすぎているのなら、基礎代謝の向上を意識して。
特に、女性は筋力が少なめ。筋肉トレでムキムキするのではなく、
筋肉に「いつでも目覚めていて~」 という感じでいいのです。
簡単なのは スクワット
テレビを見たり、音楽を聴きながらでも毎日1分から始めてみましょう。
これって更年期障害?
冷えのぼせタイプは更年期の自律神経失調症状の一つでもあります。
40台後半で冷えのぼせがあり、月のリズムに変化がある場合は、
更年期障害の可能性もありますから婦人科を受診してみましょう。
女性のカラダは、女性に聞くのが一番。
女医さんのいるレディースクリニックを探してみましょう。
女性の方は風邪をひいたり、様々な症状が有る時は、
「婦人科」に行くのがいいですよ。女性の症状を診るのが「婦人科」
妊娠や婦人科系の病気の時だけでなくて、良いのです。
この考え方を、当院に来院されている婦人科の女医さんに確認しました。
「そうなんです!その通りです!!是非、女性の患者様にお伝えして下さい」
と、太鼓判を貰っています。
寒いこの季節・・ツラ~い冷え症の方にとっては大変な時期ですね。
少しでもお役に立てたら幸いです。